※この記事は、わたしのクライアント様のAさんに執筆していただきました。
「ひとりでサロンを回すには、どうしても限界がある」
自由な働き方を目指して始めたはずが、気づけば朝から晩まで休みなく働きづめ。
そんな日々に疲れてしまうこともあるかもしれません。
本当に自由でゆとりのある働き方を実現するためには、組織の「仕組み」を整えることが欠かせません。
自分だけですべて抱え込むのではなく、業務の流れを整理したり、チームで役割を分担したり。
そうした仕組みづくりが、あなたの時間と心にゆとりをもたらしてくれます。
この記事では、実際に私が取り組んだ組織化のステップや、現場の効率化の方法を具体的にご紹介しています。
一人でがんばりすぎてしまう方の参考になれば、とても嬉しいです。
目次
ひとりでやっていた頃の話
開業当初は、ランニングコストをできる限り抑えるために、すべての業務を自分一人でこなしていました。
朝9時から夜21時まで、ほとんど休憩も取らずに働く毎日。
風邪をひいても、熱があっても、お店を開けていました。そんな日々の中で、おかげさまでお客様も少しずつ増え、売上も右肩上がりになってはいました。
けれどその一方で、私の時間も、心のゆとりも、どんどん削られていったのです。
「自由に働きたくてサロンを開いたのに、これじゃ全然自由じゃない」
その気づきがきっかけとなり、まず最初に人を雇うという一歩を踏み出しました。
スタッフを雇ってみて、最初にぶつかった3つの壁

「人を雇えばきっと楽になるはず」そう思って一歩踏み出したものの、実際にスタッフを迎え入れてみると、想像以上に戸惑いや悩みがありました。ここでは、私自身がスタッフを雇ってすぐに直面した「3つの壁」についてお話ししていきます。
これから人を増やそうか迷っている方にとって、少しでも参考になれば嬉しいです。
壁① 仕事を減らすはずが、売上と責任に追われる毎日へ
人を雇うということは、自分の時間もお金も投資するということ。
「楽になるはず」と思っていたのに、実際はその逆でした。
スタッフが仕事を覚えるまでは、ひとつひとつ丁寧に教える必要があり、その間は自分の仕事量が倍以上に増えます。
さらに、今までは売上が多少落ちても、自分一人の生活だけを考えれば何とかなりました。
でも、人を雇った瞬間から「自分以外の誰かの生活」にも責任が生まれます。
まだ自分もプレイヤーとして現場に立っている中で、売上を維持しながらスタッフの教育もしなければならず、むしろ以前よりも毎日が忙しく、正直かなり疲弊していました。
壁② マニュアルがなく、ルールの統一感がなかった
スタッフを複数人迎え入れたものの、個人サロンという小さな規模ゆえ、教え方はなんとなく口頭で伝えるだけ。
私自身の感覚で進めてしまっていたため、ルールややり方に一貫性がなく、結果としてお客様を混乱させてしまうこともありました。
私がなんとなくできていたことは、当然ながら新人スタッフには通用しません。
お客様の数が増え、スタッフの人数も増えるにつれて、ルールが決まっていないことに対する煩わしさや、教える側の負担がどんどん大きくなっていったのを感じていました。
壁③ 法的な手続きも仕事が増える
人を雇うということは、雇用関係を結ぶということ。
つまり、労務手続きや給与計算、働く環境の整備など、雇用者としての責任が一気に増えます。
私自身、それまで人を雇った経験がなかったため、すべてが初めてのことばかり。
手続きの調べものや書類作成に多くの時間を取られました。
しかも、自分は現場のプレイヤーとしても働きながら、裏方業務も同時にこなさなければなりません。
思っていた以上に大変で、正直、何度も心が折れそうになりました。
実際にスタッフを雇ってみて感じたこと

雇用を経験して初めて気づいたことが、本当にたくさんありました。
ここでは、その中でも「スタッフを迎えてよかった」と感じたメリットをいくつかご紹介します。
スタッフを雇うメリット
①自由な時間が増える
これまでは、スタッフが私ひとりだったため、買い出しや業者対応、銀行へ行くなどのちょっとした用事でも、わざわざお店を閉めて外出する必要がありました。
お客様の予約を調整したり、無理にすき間時間を作ったり…と、常にスケジュールに追われていた感覚です。
でも、スタッフがいてくれることで、お店を開けたまま外出できたり、急な対応もお願いできるように。
心にも時間にもゆとりが生まれて、「ちょっと一息」ができるようになったのは、思った以上に大きな変化でした。
結果として、次の事業の準備や勉強の時間、自分のメンテナンスに時間を使えるようになり、働き方そのものが変わってきたと実感しています。
②業務の効率化が図れる
電話対応や事務処理、経理業務など、現場以外のタスクも多く、一人で全てをこなそうとすると、肝心なお客様対応に集中できないこともありました。
やるべきことが山積みで、目の前のお客様にしっかり向き合えなくなるのは、本当に本末転倒です。
スタッフが増えることで、それぞれの業務を分担できるようになり、一つひとつの作業の質が上がりました。
その結果、業務全体の効率が良くなり、お客様へのサービスにもより丁寧に向き合えるように。
自然と顧客満足度が高まり、売上も一人で運営していた時より確実に伸びたのは、嬉しい変化でした。
③経営視点が育ち、全体を見る力がつく
自分もプレイヤーとして現場で働いていると、どうしても目の前の仕事で手いっぱいになってしまいます。
現場のことも経営のことも両方見なければいけない中で、特に現場に時間を取られてしまいがち。
しかし、現場を任せられるスタッフがいることで、自分は経営に集中できるようになりました。
また、全体を一歩引いて見ることで、これまでとは違う視点や気づきが生まれ、経営や運営にも活かせるようになったのです。
④チームで働くことの達成感を味わえる。
今までは、嬉しいことも、つらいことも、すべて一人で噛みしめてきました。
でも、チームができたことで、一人では味わえなかった達成感や喜び、そして新たなアイデアが生まれるようになったのは、大きな変化でしたね。
一人で動いていると、どうしても視点や考え方が偏ってしまいがちですが、
いろんな意見を取り入れることで、物事をより前向きに捉えられるようにもなりました。
また、自分自身が「経営者」として、人をマネジメントすることの難しさを日々実感しています。
同じ目標に向かって、チーム全体のモチベーションを保ち、メンタル面にも気を配る。
経営とは、ただ数字を追いかけて売上を上げるだけではないということを、チームを持って初めて知りました。
私が組織化に向けてやってよかった3つのステップ

ここでは、私が実際に試して「やってよかった」と感じた、組織化のための具体的な方法をご紹介します。
ひとりで抱え込んでいた仕事を、どうやってチームで回せるようにしたのか 。
小さなサロンでも取り入れやすいシンプルな方法ばかりなので、きっと参考になるはずです。
これから組織化を進めたい方にとって、最初の一歩を踏み出すヒントになれば嬉しいです。
STEP① マニュアルをつくった
これまでは、自分の中の「なんとなくのルール」で業務を進めていましたが、それをひとつひとつ言語化し、誰が見てもわかるマニュアルを作成しました。
それまでは、何かあるたびにスタッフから私に確認が入り、その都度対応が必要でした。
しかし、マニュアルを整備したことで、基本的なことはマニュアルを見ればわかる状態に。
もちろん、最初に作成するにはかなりの時間と労力がかかります。
でも、一度作ってしまえば文字として残り、今後入ってくる新人スタッフにも活用できます。つまり、私の代わりにマニュアルが働いてくれるのです。
実際に、新人教育の効率が格段に上がり、教える側・教わる側どちらのストレスも大幅に軽減されました。
STEP② 店の裏側を見える化&自動化した
お店の運営で意外と手間がかかるのが、買い出しや備品管理、お金のやり取りといった「裏側」の仕事です。
ここを効率よく仕組み化して、誰がやってもスムーズに進むように整えました。
- 備品管理のルール化とチェックリスト作成
- お金の管理フローの整備と透明化
- スタッフ間の情報共有をチャットツールなどでデジタル化
- 通販の定期便活用で買い出しを効率化し、スタッフの現金管理を最小限化
こうした工夫で、ミスが減り、スタッフも動きやすくなっただけでなく、私自身も現場から少し距離を置いて経営に集中できるようになりました。
STEP③自分がいなくても回る「仕組み」を意識しはじめた
業務の流れをマップ化したり、連絡のルールを決めたりして、チームで回すことを前提とした仕組み作りに切り替えました。
お金に関する管理は私が担当し、現場の運営はスタッフに任せる役割分担を明確にし、スタッフにもその意識を持ってもらうようにしました。
また、いきなり現場を離れるのではなく、徐々にスタッフだけでお店を回す時間を増やしていきました。
その結果、スタッフたちに責任感が芽生え、能動的に動いてくれるように。
さらに、何か問題があっても私がしっかりサポートするという安心感を与えつつ、スタッフがのびのび働ける環境づくりを心がけました。
まとめ

現在は、スタッフだけでお店を回せるようになり、私は自由な時間を持てるようになりました。
その時間を使って、新しい事業にもチャレンジしています。
自分で事業をしている方なら、いずれ「人を雇う」「任せる」という壁に直面することがあると思います。
もちろん、人と関わることでトラブルが起きたり、大変なこともあります。
でも、チームで得られる達成感や喜びは、一人では感じられない特別なものです。
私自身、女性起業家として、仲間の存在がどれほど大切かを実感しています。
もし今、「人を増やすべきか悩んでいる」「任せたいけど不安で踏み出せない」そんな気持ちを抱えている方がいたら、 この記事がその一歩を踏み出すきっかけになれば嬉しいです。
最後に——仕組み化の前に、大切なことがあります
「仕組みがあれば楽になる」と頭ではわかっていても、
実際には「私にそんなことできるのかな」「スタッフに任せてもうまくいくのかな」と、不安が先に立ってしまうこともありますよね。
私自身もそうでした。
けれど、本当に変化を起こせたのは、「自分にもできる」と信じて、最初の一歩を踏み出したからです。
仕組みを整えるのは、あなたの未来の可能性をひらくため。
でも、その前に必要なのは、「あなた自身の価値」を信じることかもしれません。
だからこそ、もし今、「どうせ私には無理かも」と立ち止まってしまっているなら——
そんなあなたに、ぜひ最初に受け取ってほしい一歩があります。
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